■股関節形成不全症に関するアドバイス
私が現在勤務しているウエストロサンゼルスに所在する、ペットビルアニマルホスピタルでは、毎日多くの犬が定期検診やワクチンを受けに来院します.その中でも、8歳をすぎた高齢犬は8割以上が何らかの関節疾患を患っており、慢性の関節痛に悩んでいます。
ここ10年間、股関節形成不全症に対して認識が急速に高まってきており、飼い主の方々も犬がまだ若いうちから関節に負担をかけないように神経を使う人が増えてきました.しかしほとんどの犬は加齢とともに関節が弱くなり、痛みを訴え、関節の機能が減退しています。
股関節形成不全症は、うまれつき股関節がゆるい状態で生まれるものです。しかしほとんどの犬は幼齢、中齢期では症状が無く、高齢になって初めて症状が現われます.遺伝的な要因(父親、母親がこの病気を持っているかどうか)と、後天的な要因成長の早さ、栄養状態、運動や日常の習慣など)が複雑に関与して発症します。
股関節形成不全は完治することはなく、鎮痛薬、抗炎症薬、ステロイドなどで痛みと炎症を抑えなくてはなりません.もっとひどくなると人工股関節の埋め込み手術をしなくてはならない場合もあります.これらの鎮痛薬、抗炎症薬、ステロイドは副作用があり、長期に渡り使用すると様々な合併症が現われる可能性があります。
それゆえ、アメリカではこれらの強い薬は必要最低限に使用し、普段はグルコサミンやミリスチン酸セチルといった天然の成分を使用している人が大多数を占めます.これらは、天然から抽出された物質で、関節の軟骨に働きかけて、関節液の産生を促し、関節の炎症を抑える作用があります.しかも薬ではないので毎日長期間与えても害になることはありません。
急に気温が下がって寒くなる季節や、ハイキングなど関節を必要以上に使う日には普段より多くグルコサミン、ミリスチン酸セチルを与えると良いでしょう。
また日常生活の中に、適度な運動を取り入れることも非常に重要です.犬がいやがらない限り、1日20分程度のゆっくりとした散歩を必ず実行して下さい.この運動により、関節に適度な屈伸運動を与える事ができ、また足腰の筋肉を維持する事になります。
またもう1つ大切なのは、肥満にならないように普段から気をつけることです。肥満は股関節ばかりでなく、あらゆる関節に負担をかけ、関節痛を増加する結果になりかねません。
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